- 七五三の起源
- 七五三をする年齢と早見表(数え年&満年齢)
- 七歳、五歳、三歳の意味
- 11月以外の七五三はアリか
七五三といえば11月というイメージが強いですよね。
実際、七五三の撮影も11月が圧倒的に多いです。しかし、都合によっては11月に撮影をするのが難しくなる方もいらっしゃると思います。
本コラムでは11月以外の七五三ってどうなんだろう…?という疑問にお答えしたいと思います。
目次
七五三の起源
七五三ってなんで11月にやるんですか?天気だけ考えると10月とか5月くらいの方が快適じゃないですか?
気温に関してはその通りかもね。七五三ってどれくらい昔からあるか知ってる?
ん〜、室町時代くらい?(適当)
諸説あるんだけど、400年くらい前、江戸時代に徳川綱吉が長男の健康を祈って行ったものが定着したと言われているよ。
あれ?徳川綱吉って、なんか聞いたことある。犬の人ですか?
うん、生類憐みの令で有名だね。徳川綱吉の長男は病弱だったので頻繁に健康祈願を行っていたんだ。
残念ながら長男は5歳で亡くなってしまい、こういった不幸が重なったことがきっかけで、生類憐みの令を始めたと言われているよ。
七五三と生類憐みの令にそんな関係があったなんて…!
健康に長生きすることを願った祈願
七五三は江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉が、病弱だった長男(徳川徳松)の健康を祈願して、11月15日にお祝いを行ったことを起源にしていると言われています。
日本で西洋医学(蘭学)が普及し始めたのは8代将軍吉宗の頃なので、医療技術が発達していない綱吉の時代には健康を願う祈祷も盛んに行われていたことでしょう。
いつの時代でもどんな身分でも親が子供の健康を願う気持ちは同じですね。
なんかめっちゃ日本史の勉強になった…!
七五三をお祝いする年齢
七五三は数え年でやるっておばあちゃんが言ってたんですが、そうなんですか?っていうか数え年ってなんですか?
数え年というのは生まれた年を1歳と数える数え方だよ。今の年齢に+1すれば数え年になるね。
えっ、1歳老けるじゃん。数え年反対…!!
七五三は元々は数え年でやっていたけど、今は満年齢で行う人の方が多いよ。
満年齢でも数え年どちらでもOK
七五三はその名の通り3歳・5歳・7歳の年に行う行事です。元々は生まれた年を1歳として数える数え年の年齢に合わせて七五三が執り行われていました。
しかし、近年では年齢を満年齢で数えるのが主流となっているため、それに合わせて七五三も満年齢で行うのが一般的になっています。
服をレンタルするなら満年齢
お祝いという意味では数え年でも満年齢でも問題ありませんが、着物をレンタルする場合は、満年齢の方が少しだけおすすめです。というのも、レンタルショップや写真スタジオの七五三用の衣装は、満年齢の子どもの体型を基準にして作られていることが多いからです。
着物はレンタルで済ます方の方多いと思います。写真撮影もできればぴったりサイズの服で綺麗に撮りたいですよね。ということで、レンタルするなら満年齢の方がおすすめです。
2021年(令和3年)の七五三年齢早見表
満年齢 | 数え年 | |
3歳の男の子・女の子 | 2018年(平成30年)生まれ | 2019年(平成31年)生まれ |
5歳の男の子 | 2016年(平成28年)生まれ | 2017年(平成29年)生まれ |
7歳の女の子 | 2014年(平成26年)生まれ | 2015年(平成27年)生まれ |
七・五・三の意味
七五三を行うそれぞれの年齢にも意味があるので簡単に説明するね。
3歳 | 髪置の儀 (かみおきのぎ) |
子供が髪を伸ばし始めることを祝う |
5歳 | 袴着の儀 (はかまぎのぎ) |
男の子が初めて袴を着用することを祝う |
7歳 | 帯解の儀 (おびときのぎ) |
女の子が初めて大人と同じ幅の帯を使うことを祝う |
地域によっては男の子は5歳しか行わない事もあるよ。
どうして七五三は11月にするの?
七五三について詳しくなった気がします!そういえば七五三はなんで11月にやるんですか?
本題に戻ってきたね(笑)二十八宿という中国式の天文学(占星術)があって、その中に鬼宿日という縁起の良い日があったんだ。今で言う、六曜の大安みたいなものだと思ってくれていいよ。
もともと七五三は11月の鬼宿日に行われていんだけど、先ほど登場した徳川綱吉が天和元年11月15日の鬼宿日に、大々的に七五三を撮り行ったことから、11月15日に定着したと言われているよ。
なるほど!ちなみに天和元年11月15日って西暦だといつになるんですか?
旧暦でズレがあるので、西暦にすると1681年12月24日になるよ。
めっちゃクリスマスイブ!!
驚いた方もいるかもしれませんね。当時は和暦は現在の太陽暦とはずれてくるので、七五三の起源を西暦にすると今で言うクリスマスイブの日になります。
文化や行事が歴史の転換点で少しずつ変化しながら受け継がれているのはとても興味深いですね。
七五三の時期はずらしてもよい?
七五三の日にちや月ってずらしてもいいんですか?
各々の考え方次第だけど、起源から見たらすでにだいぶずれているので、僕はずらしても問題ないと考えているかな。
確かに。12月24日が七五三と言われてもなかなか受け入れられません(笑)
11月以外でも大丈夫
11月の土日祝に行われることが多い七五三ですが、元々の起源から考えるとすでにだいぶ日にちは変わっているようですね。でもそれに怒るほど神様の心は狭くはないでしょう。ということで、七五三を11月以外に行っても特に問題はないと考えています。
特に昨今ではフィジカルディスタンスを意識した社会に変化しつつあるので、シーズンをばらけれさせ、密を防いだ方がより安全に執り行うことができるでしょう。
お子様の体調最優先で決めよう
大人から見ると七五三はお子様にとって楽しいイベントの日に思えるかもしれません。しかし、小さなお子様にとって七五三はかなり重労働です。というのも着なれない着物で、御祈祷、写真撮影、食事会などの多忙なスケジュールをこなす日になるからです。
境内で石遊びをしたり千歳飴とおもちゃなどをもらう瞬間を除いては、意外とストレスになりやすいのが七五三です。七五三に行く時期や日にちはお子様の体調を考慮して決めてあげることが一番大切だと思います。
事前に神社に確認しよう
オフシーズンに七五三を行う場合、神社が千歳飴などのお祝い品が用意できない可能性があります。御祈祷の予約などと合わせて事前に確認するようにしましょう。また、極端に暑い時期や時期や寒い時期はお体への負担が大きくなりますので、快適な気候の時期を選ぶといいでしょう。
オフシーズンはシャッターチャンス
七五三の写真撮影をする場合も11月以外でもいいんですか?
もちろん大丈夫だよ。11月は混雑で背景に人が入り込んでしまったり、人の流れの隙を見て撮影することが多いけど、空いている季節なら広々と撮影もできるね。
撮影だけなら11月以外の方が有利
綺麗な写真を撮ることを考えるのであれば、空間的に余裕がある方が圧倒的に有利です。昨今ではウイルスの蔓延から、密を避けて、フィジカルディスタンスを意識する文化も生まれて来ています。
写真撮影のためにマスクを外したら周囲の人から嫌そうな目で見られてしまった、なんて話も聞いたことがあります。
写真撮影を行う場合も、密集していてマスクを外せない七五三よりは、開放的な七五三の方が素敵に撮ることができます。
密集を防ぐためには分散することが必要なので、例えば、3月・5月・7月の七五三などの新しい試み初めてはどうかと思っています。(賛同してくれる神社さん募集中)
まとめ
七五三は歴史のある行事ですが、歳の数え方や執り行う日時などは時代に合わせて少しずつ変化してきています。必ずこの日に行わなければいけない、という物ではありませんのでご安心ください。
七五三で最も大切なのは、お子様の健やかな成長を願うことです。お子様やご家族の皆様の健康状態などを考慮しながら、最も楽しく行えるお日にちを選んであげてください。
- 七五三の日時は変えても問題なし
- 数え年・満年齢どちらでもOK
- 撮影はオフシーズンがおすすめ